あたたかい湯

日々あふれたものの受け皿

2021/1/10

日付が変わって十日。

昨日は読みかけだった吉本ばななさんの鳥たちをさいごまで読んだ。

ときどき、主人公のまこちゃんのセリフがものすごく鮮明にわかって、突き刺さって。ときどき、フリーズしながら、気になった行を3回くらい反復したりしながら、読んだ。

まこちゃんが、教授の言葉に打ちのめされるほどに納得したのと同じように、わたしも教授の言葉に打ちのめされるほどに納得した。

こういうのはいつも日々に埋もれてすぐ忘れてしまうけど、また何かに触れて、思い出す。思い出しては記して、自分のかたちを確かめてる気がする。

 

「彼らの痛みを解決するのは時間だけだ。それから歳をとって少し感性が鈍くなったことにより楽になることしか。」

 

吉本ばななさんが、主人公の彼らに向けたあとがき。ちょっと泣いた。

悲しいのと、安心と、くやしいのと、抗いたい気持ちと、諦められそうな気持ちと、救われた気持ちがぜんぶごっちゃになった感じがした。